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沿革

平成19年度に採択された東北大学グローバルCOE「新世紀世界の成長焦点に築くナノ医工学拠点」は、生命科学の領域において平成14年度採択された21世紀COEプログラム(A03)「バイオナノテクノロジー基盤未来医工学」の事業を承継するものです。21世紀COEプログラムにおいては、延べ22名の事業推進担当者が平成14年度から平成18年度まで、5年間の教育・研究活動を実施してきました。参加した専攻等は、工学研究科および医学系研究科の6専攻、大学附属の2研究所および2センターでした。

21世紀COEにおける拠点形成の目的として掲げたものは、広範な領域を包含する医と工の融合分野である医工学をバイオナノテクノロジーを軸として発展させ、世界的教育・研究拠点を形成するというものでした。私たちは、発足以来の5年間の活動で、これを額面通り着実に実施してきたことを誇りとしています。教育研究活動に関する事業全体の具体的目標と成果の概略は以下の通りでした。

(1)世界に通用する医工学研究のための若手研究者の育成
 21世紀COEプログラムの予算の約6割がRA、PDの雇用のために使用されました。5年間のRA、PDの雇用者数はそれぞれ延べ189名、38名で、単に雇用するばかりでなく、事業推進担当者による通年カリキュラムによる医工双方向の教育を実施するとともに、後述するノマディックな教育、遍歴学生制度を利用してRA、PDを海外(長期派遣8名、短期派遣RA76名、PD15名)並びに国内(含学内他部局、44名)の有力な研究機関に派遣し、若手研究者の育成に努めました。その結果として、学生だけで、59件の国際会議発表、4件の受賞者を出しました。また、博士課程修了後、大学教員、一流企業の研究開発部門など医工学領域で活躍する若手研究者を多く育成することができました。

(2) 事業推進担当者による世界的研究の促進
この21世紀COE以外の競争的研究資金に積極的に応募して資金を獲得し(グループ全体で、計約35億円)、グループ内およびグループ間での研究を推進しました。また、その研究成果は Science, Circulation Research などの一流国際誌に投稿し、その成果を着実に挙げてきており、査読付き論文は、913編(内英文630編)、単行本等の執筆120編(内英文18編)、特許の出願及び認可は75件にのぼりました。国際会議での特別講演および招待講演等は、170件であり、36件の各賞の受賞実績を有するなど、国際的にも認知される活動を繰り広げることができました。最終年度には、Imeprial College Press を通じて、研究・教育成果を世界に問うため 1100頁に及ぶ研究書(1)を発行しました。

(3) 世界有数の他研究機関との連携
ノマディックな教育並びに世界的研究教育拠点形成の視点から、35以上の海外の大学、研究所との連携により、学生派遣や共同研究を推進し、その成果は、上述の多くの研究論文や国際会議のおける研究成果の公表につながっています。

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